寮は税金のかからない収入

昔、私が子供の時、父親の勤める会社の社宅で暮らしていました。社宅での暮らしでは、日常の生活の中でも、会社での地位や立場がそのまま家族の暮らしにも影響を与えることがありましたが、しかし昔は今の様に縦社会が厳しくなく、誰もが平等な社会で、あまり不自由を感じたことはありません。また、寮や社宅での家賃は、会社が保有する資産を活用することで、他よりも家賃が安かったり、テニスコートなどの施設が完備していたりと、むしろ子供の私にとっては、利点の方がおおかった様に感じます。
そんな中、看護師として求人条件の中にある寮は、病院が施設を保有しているアパートではなく、民間の経営するアパートやマンションを病院が寮として借り上げているのが大半で、社宅の様に職場環境をそのまま引きずることもありません。病院側が提供する寮は、家賃の一部または全額を病院が負担することで、福利厚生費として経費として計上できます。その為、このような福利厚生は、給料に含まれないとても有利な待遇で、仮にその分を給料として受け取ってしまうと、そこに税金が発生してしまいます。
私達は、就職先を選ぶ際、収入などの待遇面ばかりを気にしてしまいがちですが、各種社会保険の完備や寮や託児所などの福利厚生はとても重要で、目に見えない収入と考えても良いでしょう。最近は、派遣やパートとして、非正規雇用の道を自ら選択する看護師の方も増えておりますが、結婚して子供を出産したときの事や、将来のことを考えれば、間違いなく正規雇用の看護師の方が有利と考えます。